2021年10月23日土曜日

(11/20)パワーエレクトロニクス学会主催 専門講習会にて講演予定



11月20日にオンラインにて開催される第36回 パワーエレクトロニクス学会主催 専門講習会にて講演対応致します。
講演題目は 「主要国における電気自動車の開発動向と我が国が執るべきカーボンニュートラルに向けた電気自動車の市場戦略」 です。

下記サイトにてプログラムを確認することができます。

https://jipe.org/1065/

このプログラム見てると、すごいメンバー集めたなって感じです・・・。
日立さんのご発表もあり、題目から、日立さんのタイカン用インバータの詳細も、ここで明らかになりそうです。

是非、ご参加くださいませ。


今日の動画は、上記のプログラム内にある日立製タイカン用インバータの分解動画を再掲載。



今後、増加してくる800Vインバータに対し、さらにSiC化が加速し、技術動向は混迷を極めます。
上記の専門講演会は、その一つの指針が掲げられると良いな、と考えております。


【活動のご紹介】
    ■研究室へのアクセス

    新研究棟への道案内は、こちらの投稿を参考にされてください。

    本山駅からタクシーで「東山公園テニスセンター」前のミニストップというコンビニを目指して、C-TECsの裏手に来られた方が、暑い中、歩かれる距離が短くて良いかと思います。
    本山駅のタクシー乗り場にタクシーが居ない場合は「つばめタクシー(052-203-1212)」にて呼ばれれば直ぐに来るはずです。


    ■出版物

  1. 「パワーエレクトロニクス回路における小型・高効率設計法 ~昇圧チョッパから結合インダクタの設計まで~ (設計技術シリーズ)」、科学情報出版
    アマゾンサイトはこちら
    紹介ページ<http://masayamamoto.blogspot.jp/2014/11/blog-post_12.html

  2. 「テスラ「モデル3/モデルS」徹底分解【インバーター/モーター編】」、日経BP社
    書籍紹介ページはこちら
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2020/03/3s.html

    ■講演予定

  1. 11月6日:ICMaSS 2021、名古屋大学未来材料・システム研究所主催
    ※名古屋大学主催の国際会議です!
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/116icmass-2021.html

  2. 11月17日:サイエンストーク・図書館サイエンス夜話、あいちサイエンスフェスティバル2021主催
    ※一般の方々向けに電気自動車の2030年の姿をお話致します
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/1117.html

  3. 11月20日:第36回 パワーエレクトロニクス学会主催 専門講習会
    ※2030年における次世代電気自動車の姿を技術面から予測していきます
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/1120.html

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2021年10月19日火曜日

(10/28)電子機器トータルソリューション展・基調講演対応



10月28日に東京ビッグサイトで開催される電子機器トータルソリューション展にて基調講演対応致します。
講演題目は 「次世代自動車2030年ロードマップとそれを支える技術予測」 です。

下記サイトにてプログラムを確認することができます。

https://www.jpcashow.com/show2021/jp/event/keynote.html

急遽、1週間後の講演となりました。
現地までお伺いして対面講演致します。

是非、ご参加くださいませ。


今日の動画は、修士2年の三島が主軸となって作ってくれた、講義「パワーエレクトロニクス」の実験用のスペースの紹介動画。



修士2年の幹部会メンバーが、学部生の実験環境インフラを配備してくれました。
ありがとうございます!

講義を履修されている皆さんは、月〜水にお気軽にご利用くださいませ!


【活動のご紹介】
    ■テスラ・モデル3インバータ解析動画




    ■研究室へのアクセス

    新研究棟への道案内は、こちらの投稿を参考にされてください。

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    ■出版物

  1. 「パワーエレクトロニクス回路における小型・高効率設計法 ~昇圧チョッパから結合インダクタの設計まで~ (設計技術シリーズ)」、科学情報出版
    アマゾンサイトはこちら
    紹介ページ<http://masayamamoto.blogspot.jp/2014/11/blog-post_12.html

  2. 「テスラ「モデル3/モデルS」徹底分解【インバーター/モーター編】」、日経BP社
    書籍紹介ページはこちら
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2020/03/3s.html

    ■講演予定

  1. 11月6日:ICMaSS 2021、名古屋大学未来材料・システム研究所主催
    ※名古屋大学主催の国際会議です!
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/116icmass-2021.html

  2. 11月17日:サイエンストーク・図書館サイエンス夜話、あいちサイエンスフェスティバル2021主催
    ※一般の方々向けに電気自動車の2030年の姿をお話致します
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/1117.html

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2021年10月13日水曜日

(10/14)宏光MINI EV分解大会を開催



10月14日に名古屋大学C-TEcs前にて宏光MINI EV分解大会を開催致しました。
本分解大会は日本能率協会様のサポートにより実現致しました。
この場をお借りして御礼申し上げます。

宏光MINI EV自体の写真は、11月30日に名古屋で開催される分解解説セミナーにて紹介していきますが、今日は会場の様子をご紹介。





多くの皆様に自動車の分解を手伝って頂きました。
本当にありがとうございます!

お陰様で大盛況で終えることができました。
お手伝い頂いた皆様、長時間ご対応頂いた皆様、遠くよりお越しいただいた皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
準備段階からお手伝い頂いたデンソー・鈴木様、豊田通商の皆様、アイシンの皆様、ありがとうございます。

良い形で皆様に情報還元できるように企画を進めて参ります。
今後ともどうかよろしくお願い致します!

最後に、解体前に最後のドライブを楽しまれたウジハラ先生の運転姿でお別れです♪



【活動のご紹介】
    ■テスラ・モデル3インバータ解析動画




    ■研究室へのアクセス

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    ■出版物

  1. 「パワーエレクトロニクス回路における小型・高効率設計法 ~昇圧チョッパから結合インダクタの設計まで~ (設計技術シリーズ)」、科学情報出版
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  2. 「テスラ「モデル3/モデルS」徹底分解【インバーター/モーター編】」、日経BP社
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    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2020/03/3s.html

    ■講演予定

  1. 11月6日:ICMaSS 2021、名古屋大学未来材料・システム研究所主催
    ※名古屋大学主催の国際会議です!
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/116icmass-2021.html

  2. 11月17日:サイエンストーク・図書館サイエンス夜話、あいちサイエンスフェスティバル2021主催
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    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/1117.html

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2021年10月4日月曜日

(11/6)ICMaSS 2021にて招待講演



11月4〜6日にオンラインで開催されるICMaSS 2021にて招待講演対応致します。
下記が講演内容となります。

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■Session: Nitride Semiconductors (Materials, Devices and Systems) (CIRFE Symposium)

SiC/GaN Hybrid Soft Switching Inverter for Electric Vehicle Applications

Masayoshi Yamamoto, Ayato Suzuki
Nagoya University, Japan;
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下記サイトにてプログラムを確認することができます。

https://www.icmass.imass.nagoya-u.ac.jp/2021/Program.php

私が所属している名古屋大学未来材料・システム研究所がオーガナイザーとして対応する国際会議です。

是非、ご参加くださいませ。


今日の動画は、先日公開した「アウディ e-tron用インバータの分解編」となります。




日立が誇る両面冷却パワー半導体モジュールの実装状況が確認できます。
日立製インバータが欧州ハイエンドモデルを席巻中。
嬉しい快進撃ですね!

是非、ご笑覧くださいませ。


【活動のご紹介】
    ■テスラ・モデル3インバータ解析動画




    ■研究室へのアクセス

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    ■講演予定

  1. 11月6日:ICMaSS 2021、名古屋大学未来材料・システム研究所主催
    ※名古屋大学主催の国際会議です!
    紹介ページ<http://nagoyapelab.blogspot.com/2021/10/116icmass-2021.html

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2021年9月23日木曜日

(10/10~14)IEEE-ECCE 2021にて発表予定



10月10日〜14日までオンラインで開催されるIEEE-ECCE 2021にて研究室メンバーが口頭発表致します。
以下、発表論文情報です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■Session I03: Passive Components

A Novel Measurement Method for DC Superimposition Characteristics of Three-Phase Coupled Inductors with Powder Cores [#1369]
Yamato Mishima1 , Tatsuya Aoki1 , Kazuya Matsuta1 , Jun Imaoka1 , Masayoshi Yamamoto1 , Kosuke Yoshimoto2
1 Nagoya University, Japan;
2 Daido Steel Co., Ltd., Japan


■Session I11: Semiconductor Devices

Analysis on Parasitic Capacitance to Prevent False Turn-on in GaN HEMT [#1431]
Toshihiro Iwaki, Takashi Sawada, Jun Imaoka, Masayoshi Yamamoto
Nagoya University, Japan

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本分野における世界最高峰の国際会議です。

是非、ご聴講くださいませ!


今日の動画は、9月26日(日)13時から宝珠院(名古屋市昭和区伊勝町2丁目9)で開催予定の沖縄空手研究会定例会のデモンストレーション。
沖縄空手の突き。



沖縄空手研究会の紹介は下記サイトをご参照ください。


沖縄空手研究会HP


名古屋パワエレ塾の活動の一環(体力健康部門)での機会ご提供となります。

こちらも是非、ご参加くださいませ♪


【活動のご紹介】
    ■宏光MINI EV分解大会の日程変更連絡

    宏光MINI EV分解大会は10月14日(木)13時〜に変更となりました!


    ■研究室へのアクセス

    新研究棟への道案内は、こちらの投稿を参考にされてください。

    本山駅からタクシーで「東山公園テニスセンター」前のミニストップというコンビニを目指して、C-TECsの裏手に来られた方が、暑い中、歩かれる距離が短くて良いかと思います。
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    ■出版物

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  2. 「テスラ「モデル3/モデルS」徹底分解【インバーター/モーター編】」、日経BP社
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2021年9月16日木曜日

【技術読み物】4代目プリウス用PCU分解解説(その5)



 <3.2.4 PCU(4代目プリウス)の分解解説:下層部>
 欧州の自動車販売に係る二酸化炭素排出量規制に対し、2011年夏には欧州の自動車メーカ5社(VW、ポルシェ、アウディ、ダイムラー、BMW)は協定による48V化に際した業界標準規格であるLV148を策定し、48V化技術に対する研究開発の集中を図った。さらに、業界標準規格を受けて、前述の通りVDA(ドイツ自動車工業会)が品質管理規格「VDA320」を策定、さらに安全に関して国連欧州経済委員会(UNECE)において、UN規則No.100を採択しているすべての国で、2013年7月15日以降に新規認可を取得する車両および再充電可能エネルギー貯蔵システム(REESS)に「電気安全に関する要求事項(UN/ECE R100)」を義務付けられることとなった。具体的には、絶縁に対する安全性に規制をかけた形である(2)。すなわち、欧州サイドより、48V以上の電源については、絶縁対策が必要であるという法的規制を明記されたことを意味する。もちろん、この規制は200V系大容量バッテリを有するプリウスにも適用される。その法的規制を技術面から直接感じることができる装置が、以下に図説を行う絶縁DC-DCコンバータである。
図3.20に2代目プリウスで採用された絶縁DC-DCコンバータの写真を掲載する。2代目の絶縁DC-DCコンバータも豊田自動織機が担当している。また、この絶縁DC-DCコンバータの等価回路図を図3.21に示す。この回路は入力側(1次側)を4つのパワー半導体で構成するフルブリッジDC-DCコンバータとなっている。直列に2つのパワー半導体が接続されている形をブリッジという単位で示し、2つの場合をハーフブリッジ、このハーフブリッジが2つ並列化した回路をフルブリッジと呼ぶ。ハーフブリッジ型は、低コストであるが出力電圧を入力直流電圧値の半分しか使えないのに対して、フルブリッジ型は入力直流電圧値をそのまま出力可能であるが、コストアップを招く。プリウスの進化に伴う要求としては、PCUの低コスト化と部品占有面積の低減化であったために、パワー半導体を2つ程度の使用に縛られ、後述する4代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータに繋がっていく。図3.20を見ると、部品点数が多く、占有面積が大きくなっていることが分かる。こういった懸念を解消すべく、4代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータは、別回路方式を採用した。



図3.22に4代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータの外観を示す。この絶縁DC-DCコンバータは、4代目プリウス用PCUの下層部に絶縁DC-DCコンバータ用冷却流路に対して裏側から貼り付けられる形で設置されている。前述のパワー半導体を4つ使用することによる専有面積の問題を払拭するため、この絶縁DC-DCコンバータはアクティブクランプ方式フォワードコンバータの回路を採用し、パワー半導体は、フォワードコンバータのメインスイッチと、アクティブクランプ用の補助スイッチの2つのみ使用することで、小型化を実現している。図3.22のST Microelectronics製MOS-FETの右側(耐圧710V・69A)がフォワードコンバータのメインスイッチであり、左側(耐圧600V・17A)が補助スイッチとなる。これら2つのパワー半導体は、制御基板上のアナログICによって制御が行われる。主パワーラインと異なり、あえてアナログ制御で豊田自動織機がIC化まで内製した理由としては、フォワードコンバータ全体を閉じて開発して、トヨタ側へシステムとして納入したかったという意図がある。汎用マイコン等の使用によるディジタル制御化により、システム下層のフォワードコンバータ構成部品のみに完成車メーカであるトヨタ自動車にその採用を限定されることを恐れ、あえてリスクを背負った形でその技術をシステム全体に留め、今回の成功に繋げている。アナログ制御ICの右手側のコンバータ制御指令用マイコンは、フォワードコンバータ制御の上位層の制御を担当し、主にコンバータとしての走行状態に応じた出力電力等の制御指令を司る。

この絶縁DC-DCコンバータの占有面積は後述する最終システムへの大きな恩恵に寄与しているが、もう一つのアプローチとして、200Vライン側(1次側)に対して高周波トランスを介した後の12Vライン側(2次側)においても、その配慮の跡が見られる。図3.20に2代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータの写真を見ると、高周波トランス後段の整流ダイオードブリッジでは、等価回路としては2つのダイオードのみで構成されているにも関わらず、6つのダイオードにより整流器が構成されている。この絶縁DC-DCコンバータではダイオードを3つ並列接続することでそれぞれのダイオード電流を1/3に分流し、熱負担を軽減している。4代目プリウスでは補機類用DC-DCコンバータにおいて、特に熱で問題となるダイオードブリッジ部とトランスコア部における熱対策に独自の技術を導入している(3)。図3.23に、前述の制御基板を取り外した状態での絶縁DC-DCコンバータの外観を示す。この写真から、4代目プリウスでは高周波トランス後段の2次側ダイオードブリッジは、2代目とDC-DCコンバータの出力は変化がないにも関わらず、4個のダイオードのみで構成されていることが分かる。この新しいプリウスのDC-DCコンバータ担当した豊田自動織機は、ダイオードの熱対策に関してダイオードを納めているサンケン電気と共同設計を行っている。具体的には、ダイオードブリッジに使用するダイオードにおいて、従来ではダイオードから冷却用アルミケースまでの熱抵抗が、回路構成上、絶縁確保が必要なため、熱伝導率の低い樹脂板を使用しなければならず、図3.24左図の様に非常に大きくなる問題があった。しかしながら、図3.25に示すように、ダイオードのアノード・カソードを入れ替えることで電流が冷却用アルミケース層に流入することを防ぐことが可能となり、図3.24右図の様に、絶縁に必要であった樹脂板、銅板を廃することで、熱抵抗要素低減構造を実現している。さらに、アノード・カソードを入れ替えることで、絶縁不要で金属スプレッタを冷却可能としている。上記の熱対策変更前と変更後における電気回路で表現した概念図を図3.26に示す。この様な対策により、ダイオードブリッジにおける部品占有面積を削減し、フォワードコンバータ全体のシステム小型化に貢献している。




また、この4代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータは、基板実装型を構成しており、具体的には、基板によるプリント配線に対して部品を挟み込む形で、全ての電気回路システムを構成している。図3.23におけるトランスやインダクタは、基板を挟み込む形で構成されており、トランス、インダクタの上側コアを取り外した状態が、図3.27の左側図となる。この状態で基板上に見えている配線は、2次側配線となっており、12Vラインの電力導通を担う。これに対して、基板を裏返すと200Vラインの配線が確認でき、フォワードコンバータの巻数比は1次側:2次側は4:1となっている。こういった基板実装型の電力変換器は、車載応用時に下記の2つの問題に直面する。

(1) パワーライン基板の熱サイクルによる反りによる信頼性の低下
(2) 量産時の組み付け時(ボルト締め等)による反りによる信頼性の低下

 これらの問題点を払拭すべく、この基板実装型コンバータにおける基板の寿命設計が非常に高い技術ハードルを乗り越えていくことが完成車メーカへの採用を目指すために肝要であると言える。
また、トランスの冷却についても独自技術を導入している。4代目プリウス用絶縁DC-DCコンバータにおいて、絶縁トランスは前述の通り、配線銅板にて巻線パターンを形成し、さらに高放熱厚銅基板を上下の2つのコアで挟み込んだ構造としている。この様な構造とすることで、巻線部は放熱シートを介してアルミケースで冷却し、高周波トランス用コアや平滑用インダクタは図3.28に示すように、アルミケースに直接接触させることで放熱を実現している。その様子を図3.29に示す。この写真は図3.27の左図状態から、さらに基板を取り外した状態であり、高周波トランスや平滑用インダクタの下側コアが、アルミ冷却ケースに埋没されており、効果的なコア冷却が可能となっている。



また、熱対策とコストダウンの関係を良く示した状況を図説するため、再度、図3.23の写真に戻る。通常はパワー半導体の冷却のために、左上部にある様な放熱絶縁シートをアルミ冷却ケースとパワー半導体の隙間に挿入してボルト留めする。さらに、その放熱効果を高めるため、パワー半導体と放熱絶縁シートの間に、シリコングリースを塗布することが一般的である。しかしながら、車両の量産時において、そのグリース塗布は工数の増大を意味する。今回、4代目プリウスが採用した絶縁DC-DCコンバータには前述の通りアクティブクランプ方式フォワードコンバータとなっている。この回路方式では、前述の通り、電流負担の大きいメインスイッチと、負担が比較的軽い補助スイッチから構成される。トヨタ自動車は、今回は負担の大きなメインスイッチ側のみにシリコングリースを塗布することとし、補助スイッチにおける熱対策を結果としてコストダウン化していることが見て取れる。
こういった小型化、低コスト化要求に対してにじり寄る様な技術確信により、結果として最終システムである車両の付加価値向上に大きな役割を演じている4代目PCUの、実際の役どころについて稿を改めて報告する。



【参考文献】
(1)トヨタ自動車ホームページ,(https://toyota.jp/)
(2)山本,自動車用48V電源システム 欧州勢の思惑と日本企業が目指すべき技術開発の方向性,サイエンス&テクノロジー株式会社,ISBN978-4-86428-143-0,2016年9月28日刊行.
(3)小澤,“新型プリウス向けDC-DCコンバータの熱設計,”テクノフロンティア2016技術シンポジウム,熱設計・対策技術シンポジウム資料,F6-2-1~F6-2-21,2016.




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【技術読み物】4代目プリウス用PCU分解解説(その4)



 <3.2.3 PCU(4代目プリウス)の分解解説:中層部>
 前述した中層部外観から実際に内部構造を確認するためには、上下合わさった冷却用アルミケースを開く必要がある。図3.13に確認できるアルミケース部は、丁度、弁当箱の蓋の状態で中層部構成部品に覆いかぶさっており、この“蓋”を開いて弁当箱の中身を見た写真が、図3.14となる。写真上部が蓋を裏側から見た構成部品、写真下部が弁当箱の中身となり、蓋の部品と弁当箱の部品が、隙間に重なり合って組み合わされる中層部を構成する形となっている。


 4代目プリウス用PCUにおいて、最も特徴的な部分がこの中層部であり、PCUの小型化に大きく寄与している階層となる。その最も大きな役割を果たしているのが電流センサである。4代目プリウスでは図3.6に示すように合計7個の電流センサを用いている。図3.15に三相インバータ・三相整流器入出力端子上部に設置されている旭化成製電流センサの外観を示す。この写真にある通り、7個のホールセンサと電流センサICにより、各部の電流検出を行っている。これに対して3代目プリウスでは、インバータ出力側の3個と整流器入力側の3個の合計6個の電流センサでPCUの制御を行っていた。4代目プリウスにおいて電流センサを1個追加した効果として、下記の2点が挙げられる。

(1) 昇圧チョッパ、三相インバータ、三相整流器を通過する全ての電力を監視することができるようになったため、定常動作条件における平滑フィルムキャパシタの最適化設計が可能となった
(2) 昇圧チョッパの制御に対し電流フィードバックを加えたことで高速応答化を実現し、過渡応答対応の平滑フィルムキャパシタ容量を最小化できた


この様に、電流センサの導入により、PCUの体積の多くを占める平滑フィルムキャパシタの小型化を実現していることが分かる。4代目プリウスではこの昇圧チョッパにおけるインダクタ電流の検出方法も特徴的となっており、図3.16の様に、直流成分と交流成分を同時に持つインダクタ電流に対して、平均電流のみを読み取っている。しかしながら、昇圧チョッパにおいてはインダクタの磁気飽和に対する保護の視点からピーク電流を観測する必要があるが、4代目プリウスでは、昇圧チョッパのピーク電流を、観測ではなく平均電流値とIGBTのターンオン時間から予測計算している。また、昇圧チョッパ制御において、3代目プリウスでは出力電圧一定制御を行う電圧モード制御を行っていたが、4代目プリウスでは電流センサを導入したことで電流値の制御要素のフィードバックが可能となり、電流モード制御の採用が実現し、昇圧チョッパの応答時間を、3代目プリウスの500μsから4代目の200μsへと大幅に削減することに成功している。これにより必要出力キャパシタ容量を削減し、平滑フィルムキャパシタの大幅な小型化(3代目:888μF → 4代目:471μF)を実現した。平滑フィルムキャパシタについては、3代目プリウスも4代目プリウスも双方、パナソニック製のものを採用している。



図3.17には、同じくパナソニック製平滑フィルムキャパシタと、昇圧チョッパ用インダクタの外観を示す。この平滑フィルムキャパシタは、昇圧チョッパの入力段におけるキャパシタで図3.6ではCiにあたる。この平滑フィルムキャパシタは前述のフィルムキャパシタとは異なり、印加電圧は大容量バッテリ電圧の200Vと、高くない。よって昇圧チョッパ後段の600Vを印加する平滑フィルムキャパシタと比較して、より誘電体の膜厚を薄くすることで小型化を実現している。

また、昇圧チョッパ用インダクタは、Fe-Si圧粉磁心であり、コストと磁束密度に性能を絞っていることが分かる。本件についても次章にて後述するが、4代目プリウスではこのインダクタは巻線内部においてギャップを1つ(コア1周あたり2つ)を確保しており、インダクタンス値は240μFである。コストダウンのためと考えられるが、3代目プリウスの昇圧チョッパ用インダクタは、全て樹脂封止されていたが、この4代目プリウス用では、コア鉄心が露出している。霧吹きで水を付けて、1ヶ月程度放置したが、表面は錆びてきたが性能には問題は発生しなかった。よって、このコアを露出させた措置も、4代目プリウスにおけるコストダウン化の正常進化であると言えよう。
次に、下層部の図説にも少し被る部分があるが、PCUの冷却方法について解説する。図3.18に4代目プリウス用PCUの冷却配管の様子を示す。このPCUは水冷方式であり、PCUから出ている配管パイプを冷却水が流れて各構成部品の冷却を担う。まず、冷却水は下層部の絶縁DC-DCコンバータを冷やすため、まず図3.18における配管パイプ①DC-DCコンバータ用冷却配管ライン(入力)から流入する。そして絶縁DC-DCコンバータの冷却を終えた冷却水は② DC-DCコンバータ用冷却配管ライン(出力)から流出する。その後、図3.7の配管ライン接続管を通って、③ 主パワーライン用冷却配管ライン(入力)へ流入する。この配管ライン接続管は、図3.18では取り外してあるが、実際には樹脂パイプによって図3.7の様に②の配管と③の配管を接続している。③ 主パワーライン用冷却配管ライン(入力)に流入した冷却水は両面冷却パワーカードと呼ばれる新しい冷却方式により、主パワーラインに使用される昇圧チョッパ、三相インバータ、三相整流器におけるパワー半導体の冷却を行う。



図3.19に両面冷却パワーカードの実際の写真を示す。冷却水は③ 主パワーライン用冷却配管ライン(入力)に流入した後、④ 主パワーライン用冷却配管ライン(出力)から流出していくが、その間、図の両面冷却器内部を通過しながら、パワー半導体の冷却を行っている。この冷却器が両面冷却パワーカードと呼ばれているのは、パワー半導体を冷却器によりサンドウィッチ構造で挟み込んでいることに端を発する。実際に図3.19を確認すると、冷却器に黒いパワー半導体が挟まっていることが分かるであろう。サンドウィッチをイメージすると分かりやすいが、サンドウィッチのパンの部分が冷却器であり、挟まっているハムの部分がパワー半導体である。このパンの部分を冷却水が流れることで、効果的にハムであるパワー半導体を両面から冷却することができる。ちなみに、昇圧チョッパ用インダクタは図3.19の点線枠部分にマウントされており、アルミ冷却フレームに直接樹脂を介して接続されている。従って、前述の絶縁DC-DCコンバータの冷却時に同時にインダクタも冷却していることが分かる。図3.17において昇圧チョッパ用インダクタの巻線が露出しているが、これは熱源である巻線部を効果的に冷却させるため、あえてこの様な構造設計がなされていると考えられる。


【参考文献】
(1)トヨタ自動車ホームページ,(https://toyota.jp/)
(2)山本,自動車用48V電源システム 欧州勢の思惑と日本企業が目指すべき技術開発の方向性,サイエンス&テクノロジー株式会社,ISBN978-4-86428-143-0,2016年9月28日刊行.
(3)小澤,“新型プリウス向けDC-DCコンバータの熱設計,”テクノフロンティア2016技術シンポジウム,熱設計・対策技術シンポジウム資料,F6-2-1~F6-2-21,2016.



※ 【技術読み物】4代目プリウス用PCU分解解説(その5)に続く。



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